校長挨拶

校長安達一德

 皆さんは、認知能力と非認知能力のことをご存知ですか。認知能力とは、知能指数(IQ)や学力テストの成績で表せる能力のことです。それに対して非認知能力とは、誠実さや自制心、やり抜く力や協調性、そして感謝する心などの人間関係から学ぶ目に見えない能力のことです。国内外の大量のデータから、「人生の成功のために特に重要なのは非認知能力だ」という結果が導き出されています。学力が大切なことは言うまでもありませんが、学力以上に仕事や年収などの面で非認知能力が長期的に影響していることが明らかになっています。誠実さや自制心、やり抜く力や協調性、そして感謝する心などと仕事や年収とは関係が無いように思えますが、データは強い関係性があることを示しています。金銭的なことに止まらず、この様な姿勢や態度が身に付いていれば、良好な人間関係を作り幸せな人生となることも容易に想像できます。付け加えるならば、グローバル化で求められている資質の多くも、この非認知能力に含まれています。国内であれ世界であれ、活躍するためには非認知能力を身に付けることが求められています。

 学園祖 中村ハル先生は、「人間は頭の良し悪しや学力の優劣よりも何よりも人物が出来ていることが基本である」と、常々お話しされていました。頭の良し悪しや学力の優劣よりも何よりも人物が出来ていること、ここで触れた非認知能力の方が大切だということです。現代のビッグデータが、ハル先生の考えの正しさを改めて証明しています。生徒たちの学力を伸ばすことに努力され、成果を上げられたハル先生の言葉だからこそ、その重みを感じます。

 ハル先生のこの教えは、校訓の中に生きています。「清節」清く正しく、優しく、そして強く生きること。「感恩」自分を活かしてもらっているすべてのものに感謝し、その恩に報いること。「労作」働くことを喜び、頭を使って合理的に働き、人のいやがる仕事も進んですること。中村学園女子中学・高等学校に在籍する生徒たちは、この校訓のもとで日々の学校生活を過ごしています。意識せずとも、非認知能力を身に付けていきます。

 これが、創立以来変わることのない中村学園女子中学・高等学校の教育です。

平成29年4月 校長 安達一德

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